虫歯予防にはデンタルフロスが必須!正しいフロスの使い方

虫歯予防にはデンタルフロスが必須!正しいフロスの使い方

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デンタルフロスをきちんと使えていますか?中にはデンタルフロスの重要性をまだ知らない人もいるかもしれません。実は、歯医者さんの多くがブラッシングとデンタルフロスの併用を勧めており、特に虫歯予防には大きな効果を発揮します。
ここでは、デンタルフロスのメリットや正しい使い方など、基礎知識について触れていきます。歯周病が気になる方や虫歯予防に力を入れたいという方は、ぜひ、正しいデンタルフロスの知識を身に着けましょう。

この記事の目次

1.デンタルフロスを使うメリット

1-1 ブラッシングだけよりも歯垢がよく落ちる

デンタルケアの基本はブラシを使った歯磨きです。しかし、ブラッシングだけよりも、デンタルフロスを併せて使った方が虫歯が予防できると勧める歯医者さんは多く、今では定番のデンタルケアとなりつつあります。
デンタルフロスは歯と歯の間など、歯ブラシの毛先が届かないところにも届き、3分の歯磨きでは歯垢除去率がおよそ6割なのに対し、8割程度にアップするといった試算もあります。

1-2 早期発見につながる

デンタルフロスを使うと、初期の虫歯や歯周病などの早期発見につながります。その理由は、歯ブラシでは気づくことができない、以下のような症状に気づくことができるからです。
以下の項目に当てはまるものがあれば、虫歯などの初期段階である可能性が高いです。もし気になる点があれば、歯医者さんに相談しがてら、歯科検診などを受けるといいでしょう。

  • 歯と歯の間でザラザラした感触がある
  • 歯の表面が凸凹していて引っかかる感じがする
  • 歯同士が重なる箇所以外の毎回同じ部分でフロスが引っかかる
  • 出し入れの時に糸がひっかかってバラバラになる

もし当てはまる点があれば、一度歯医者さんに診てもらうようにしてください。初期の虫歯であれば治療も軽く済み、通院期間も短くて済みます。

1-3 口臭予防にも効果的

口臭の原因の一つは、歯に残された食べカスです。食べ物自体がニオイを発する場合もあれば、食べカスが蓄積して発酵するなどして、強いニオイを発している場合もあります。
もう一つの口臭の原因となっているのが、歯垢です。歯垢は雑菌が繁殖しやすく、口臭の元となるニオイを発することがあります。
デンタルフロスを使えば、歯ブラシでは取り除くのが難しい食べカスや歯垢もすっきり取り除くことができます。口臭の原因を取り除くことができるので、口臭予防に繋がるのです。

1-4 補綴物の状態をチェックできる

デンタルフロスを使うことで、インレーなどのいわゆる歯の詰め物や、被せ物などのチェックが可能になります。歯の詰め物や被せ物は、経年劣化などで外れてしまったり、浮いてしまったり、グラグラと不安定になっていることがありますが、フロスを使うことで早く不具合に気づくことができるのです。
フロスが切れる、ひっかかるなどの異常があれば、被せ物が外れかけている可能性がありますので、気になる点があれば歯医者さんに診てもらいましょう。
詰め物や被せ物に不具合があると、そこから虫歯が発生したり、歯周病の原因となることがあるため、意識的に確認することが大切です。

2.デンタルフロスの使い方

2-1 デンタルフロスの本来の使い方、知ってる?

デンタルフロスの本来の目的は、歯の隙間に挟まったものを取ることではありません。歯と歯の隙間の汚れが取れたからOK!と、ケアを終えてしまうかもしれませんが、それではデンタルフロスの正しいケアとは言えないのです。

デンタルフロスは、どちらかというと歯の表面についたプラークを取るのが目的で用いられています。デンタルフロスの角度を変えながら、歯の表面をこするようにして歯垢を剥ぎ取るのです。もし、使い方が間違っていれば、毎日フロスを使っても虫歯や歯周病予防にはならない可能性も…。歯の詰まりものだけのケアに使っている方は、注意が必要です。

また、詰め物や被せものがある歯では、取れかけている詰め物、被せものがある場合もあるので、フロスを上に引き抜くのではなく横から引き抜くようにしましょう。

2-2 糸巻きタイプのフロスの使い方

糸巻きタイプのデンタルフロスは、糸の長さを自分で調整できるのがいいところです。歯医者さんがフロスを使うときも、この糸巻きタイプのフロスを使用していますね。

・糸巻きタイプのフロスの準備

まず、フロスを40cm程度引き出して切り、両端を数回、左右の中指に巻きつけます。だいたい指と指の間が10〜15cm程度になるようにしましょう。

・糸巻きタイプのフロスの使い方

実際に歯と歯の間に入れ込む時には、人差し指の腹に当てながらテンション(糸を張る力)を保つようにします。上の前歯であれば、左右どちらかの中指の腹に当てながらテンションを保つようにするとやりやすいです。奥歯の場合は少しやりにくいですが、両手の中指の腹に当てて、下の歯であれば上から押し込むように、上の歯であれば下から押し上げるようにフロスを入れていきます。下の前歯の場合も、奥歯と同様に両手の中指を使うとうまくいきます。

・フロス使用時のポイント

デンタルフロスを差し込んだら、歯の表面をこするように動かしましょう。ただ抜き差しするだけでは不十分です。糸巻きタイプの場合は、差し込んだら引き抜く、差し込んだら引き抜くといったように繰り返すことで歯と歯の隙間の根元の部分までキレイにケアできます。歯の隙間が詰まっていて、抜き差しが大変な方は、糸巻きタイプのフロスがおすすめです。

・毎回キレイな部分を使って

一箇所のケアが済んだら、他の歯の隙間のケアに移りますが、その時には指に巻いてあるデンタルフロスを取り出し、キレイな部分を使ってケアしましょう。フロスには目に見えない雑菌がついていますので、できるだけきれいな糸を出しながら使うといいでしょう。

2-3 ホルダータイプのフロスの使い方

ホルダータイプのフロスは、一番一般的な商品かもしれません。糸巻きタイプのように準備もいりませんし、さっと使えるのも便利なところです。

・ホルダータイプのフロスの使い方

歯の隙間に入れ込んだら、前後に動かしながら歯の表面をこするようにして歯垢を落とします。根元まで下ろして、両サイドの歯の表面をキレイに磨きましょう。

・ホルダータイプのフロスの注意点

ホルダータイプの場合は糸が太いものが多く、糸巻きタイプのフロスのように、スーッと引き抜くことができません。必ず歯と歯の隙間から外すように抜かなければいけないのです。
この時、無理に引っ張るようにすると、歯に負担がかかる可能性があります。これは挿入するときにも言えることですが、歯と歯の隙間が詰まっていて、挿入しにくい、抜き出しにくい場合は、ゆっくりと静かに動かすようにしましょう。前後左右にそっと動かしていくと、傷をつけずに使用できます。

2-4 毎日使用するのがおすすめ

デンタルフロスは毎日使うことをおすすめします。ぱっと鏡で見たくらいでは、自分の歯と歯の間に汚れが溜まっている実感はないかもしれません。
しかし、歯垢は間違いなく溜まっています。こまめに取り除かなければ、この歯垢から虫歯菌が繁殖したり、歯石が溜まるなどして、歯周病や口臭などの口内トラブルにも発展する可能性もあるのです。
デンタルフロスは、最低でも2〜3日に1回はするようにして、歯の隙間の歯垢もきれいに取り除くようにしましょう。

3.デンタルフロスが臭う!その原因は?

3-1 ただ臭うだけ…じゃない!実は歯周病かも!

デンタルフロスをかいでみたことはありますか?もし使用済みのデンタルフロスが臭ったら、まずは歯周病を疑ってみましょう。
歯周病の場合、歯茎周辺が菌に侵されていて、歯周ポケットにフロスが深く食い込んだり、血が出たりすることがよくありますので、併せて確認してください。
もしこれらの症状があるのであれば、歯周ポケットに菌が繁殖して、嫌なニオイを発しているのかも。ケアをすることはもちろんですが、歯周病が発生していないか、一度歯医者さんに診てもらいましょう。

3-2 虫歯でフロスが臭う?

虫歯が原因でフロスが臭うこともあるようです。虫歯とまではいかなくても、歯垢が溜まっている部分に虫歯菌が繁殖し、嫌なニオイを発している可能性もあります。虫歯菌であるミュータンス菌などが歯の表面にたくさんいる可能性もあり、こちらもケアだけでなく、歯医者さんのチェックが必要です。

3-3 歯垢がたくさん溜まっている証拠?

虫歯や歯周病はなくても、たくさん歯垢が溜まっていることが原因でニオイがするのかもしれません。そのままにしていれば、いずれは虫歯や歯周病が発生しやすくなります。また、いずれは歯石になる可能性もあるので、ケアの必要性が高いことに違いはありません。

4.デンタルフロスの疑問、一挙解決!

4-1 デンタルフロスは使い捨てがいい?

衛生上デンタルフロスは使い捨てましょう。もったいないと感じるかもしれませんが、雑菌が繁殖する可能性もあり、使い捨てたほうが安心です。最近では何度か繰り返し使える製品もあります。一番大切なのは、その製品の使用方法を守って使うようにすることですので、購入時や使用前には説明書をきちんと読むようにしてください。

4-2 デンタルフロスでの出血は大丈夫?

デンタルフロスを使っていると出血することがありますが、最初のうちだけで数日後には出血しなくなるケースが多いです。しかし、2週間経っても出血が見られる場合は、歯茎に歯周病がある可能性も考えられます。もしいつまでも出血が治まらない場合は、必ず歯医者さんへ相談するようにしましょう。

4-3 フロスがスムーズに抜けるのは良くない?

デンタルフロスはスムーズに入る方がいいのか、引っかかる方がいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。フロスが簡単に入ったり抜けたりするのは、歯の隙間が空いているからです。見た目には隙間が詰まっているように見えるかもしれませんが、いわゆる「すきっ歯」と同じ状態ということができます。
このすきっ歯に近い状態だと、間に食べカスが挟まったり、歯垢が溜まりやすく、虫歯になりやすくなります。もし、スムーズにフロスを抜き差しできるということであれば、「自分は虫歯になりやすい」ということを認識するようにし、こまめにケアや検診をするようにしましょう。

4-4 デンタルフロスは歯間ブラシと何が違うの?

デンタルフロスと歯間ブラシは、似て非なるものです。デンタルフロスは歯間の歯垢などを取るためのアイテムで、一方、歯間ブラシは歯周病予防が目的のもの。すでに歯茎が下がり始めている可能性の高い40代前後の人が使うといいとされます。
歯間ブラシを使う必要のない人が使えば、人によっては歯茎を痛める可能性もゼロではありません。そのため、歯間ブラシについては歯医者さんに勧められたら使うようにするといいでしょう。

5.歯医者さんのチェックを定期的に

正しいケアを身につけよう

どんなにフロスで毎日ケアをしていても、歯医者さんのプロの目から見たら問題があることも多々あります。そのため、自己判断せずに歯医者さんに定期的にチェックしてもらうことも忘れずにしてください。また、歯医者さんで正しいケア方法を教えてもらえば、歯の健康を確実に守ることができるでしょう。

6.まとめ

フロスを使っている方は経験がおありかと思いますが、きれいだと思っても予想以上に歯垢などの汚れがとれます。これらの汚れをそのままにすれば、トラブルが発生することは一目瞭然ですよね。使い続ければ虫歯や歯周病に気づくこともでき、歯医者さんへ行っても最小限の治療に抑えることができますよ。これまでデンタルフロスを使ったことがない人は、毎日の歯磨きケアに取り入れてみてください。いつもより自分の歯を大切にすることで自信の持てるきれいな歯を手に入れましょう。

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監修医小川隆介先生

後楽園デンタルオフィス 院長

■院長経歴
2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る

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