色個性コンサルティング - 人と組織の個性を最大に生かして問題解決と目標達成

「色や柄が個性に対してどのような影響を与えるか」に関する研究は国内外で行われ、以下、抽出した研究論文をご紹介します。

• 論文/記事タイトル
• 医療福祉を学ぶ大学生の色彩嗜好と性格特性の関連
• 著者
• 大石 如香、石本 豪

• 要約
• 赤色を好む学生は、比較的「積極性」や「社交性」などの気質を持つ者が多い傾向にあり、類似する色のピンクも「陽気」と認められている。赤色の暖色系を好む場合、より社会性が高いと個人を認識する者が好む傾向にある。
  また、黄緑色に関しては「注意深い」や「リーダーシップ」気質があり、集団をよく観察しながらも、まとめて一定の方向へ導くことができる者に好まれる傾向にある。

• 論文/記事タイトル
• Tranquilizing Effect of Color Reduces Aggressive Behavior and Potential Violence
• 著者
• Alexander G. Schauss

• 要約
• ピンクの特定の色合いは、怒りや激越の感情を持っている被験者にそれら感情の緩和効果をもたらす可能性があり、10〜15分で敵対的または激越した行動を緩和しした。

• 論文/記事タイトル
• Relation between Personality Traits and Preference for Warm and Cool Colors（p.98〜）
• 著者
• Stevan Nikolić、他

• 要約
• この研究の目的は、より暖かいまたはより冷たい色調の好みとパーソナリティのBig Five Modelとの間に統計的に有意な相関関係があるかどうかを判断し、特定のパーソナリティ特性がに基づいて仮定できるかどうかを調べた。データは、相関分析と回帰分析によって分析された。ここでは、予測変数は参加者の暖かい色または冷たい色に対する好みであり、基準変数は性格特性でした。
  結果は、暖かい色の変数の好みと外向性、協調性、良心性、開放性の次元との間に統計的に有意な相関を示しましたが、一方で、涼しい色の変数の好みと次元の協調性の間には統計的に有意な相関がありました。
  この研究の貢献は、性格特性と同じ人の色の好みとの関係をよりよく理解することにあります。 さらに、研究は、個人の色の好みに基づいて、人は彼らの性格特性を仮定することができることを示しています。

• 論文/記事タイトル
• THE IMPACT OF MOTIFS AND PATTERNS ON SURFACE DESIGN IN FASHION AND TEXTILE DESIGN ON PEOPLE'S EMOTIONS.
• 著者
• Zaity Musa

• 要約
• デザイナーの主な目標は、パターン自体を見て消費者に前向きな感情を与えることで、ユニークな体験を生み出すことです。アートにおけるモチーフは、繰り返されるアイデア、パターン、イメージ、またはテーマであり、パターンは特定の視覚要素の繰り返しです。デザイナーにとって非常に非常に重要なことは、パターンとしてデザインされる形状と感情的に決定される消費者の声質を理解することである。
  この研究は、「ファッションやテキスタイルの表面デザインが人々の感情への影響力」を理解するのに役立ちます。また、柄（モチーフ）の形状が、人々の感情に寄与する要素間の関係を理解し、モチーフパターンの形状が人々の感情に影響を与える可能性があることをよりよく理解するための構造を研究している。
  この調査の対象は、マルチメディア、アニメーション、グラフィック、ファッションなどのクリエイティブデザイナーです。したがって、さまざまなグループや人々に基づいてさまざまな感情が表示されます。この研究では、定量的方法を使用して、リサーチクエスチョンを用いている。このように、この論文は、重要な役割を果たし、人々に感情を変えさせることができる要素が何であるかを明らかにします。
  
  本調査における対象は以下の通り。
  男女比：47:43
  年齢層
  　16〜25：47%
  　26〜35：39%
  　36〜40：14%
  人種
  　インド：12%
  　マレー：49%
  　中国：18%
  　その他：22%
  宗教
  　イスラム：67%
  　キリスト：10%
  　仏教：2%
  　ヒンドゥー：12%
  　その他：10%
  
  結果、生地のモチーフ/パターンの選択がトレンドに影響されることがわかり、彼らはモチーフ/パターンに基づいて生地を選ぶことに同意し、それは現在のトレンドに影響されている。14％が「いいえ」と答え、生地/ファッションのモチーフ/パターンを選択したときにトレンドの影響を受けなかったと答えました。20％が、生地/ファッションのモチーフ/パターンの選択に不確かなものを選択した場合、トレンドの影響を受けます。
  つまり、消費者は柄などに基づいて生地を選択し、それが結果として現在のトレンドに影響している。
  興味深いことに、回答者のほとんどは、モチーフ/パターンがファッションファブリックにとって重要であると考えていおり、86％が「重要」と答えている。彼らにとって、モチーフ/パターンはファッションファブリックにとって重要です。2％は「いいえ」と答えています。モチーフ/パターンはファッションファブリックにとって重要ではなく、12％はおそらく、どちらのモチーフ/パターンがファッションファブリックにとって重要であるかわからないと答えています。
  ファッションショーで用いられるモチーフ/パターンは、ファッションファブリックにとって重要であり、トレンドが形成される。また重要なのは、彼らが着るドレスのモチーフ/パターンが彼らを感情的にし（感情に影響を与える）、39％が「はい（影響あり）」と答えています。ドレスにあるモチーフやパターン、そして自分自身を見ることで、人々の感情に影響を与えます。しかし、一部の人々はノーと言います、彼らはパターンを見て感情を持っていません。それは彼らの気持ちに影響を与えません。33％は、モチーフ/パターンのどちらかが不確かであると、感情に影響を与える可能性があると答えています。

• 論文/記事タイトル
• 服装特徴と印象形成
• 著者
• 永野光朗
  小嶋外弘

• 要約
• 本研究では、服装による印象形成過程における手がかりの優位性について検討を行なった。男子大学生に女子大学生の全身写真を提示し、その服装特徴から着装者のパーソナリティを推測させた。林の数量化理論1類による分析をおこない、因子分析により抽出された3つのパーソナリティ次元(個人的親しみやすさ、活動性、社会的望ましさ)の認知に対して個々の服装特徴がどのように影響を与えているかについて調べた。
  この結果から、3つのパーソナリティ次元に共通して優位にはたらく手がかりは「上衣の型」と「上衣の色」であるが、さらにそれぞれの次元には固有の優位な手がかりが存在することが明らかになった。すなわち「個人的親しみやすさ」の次元では上記にくわえて「上衣の柄」が、「活動性」の次元では「下衣の型」が、また「社会的望ましさ」の次元では下半身における衣服の諸特徴がそれぞれの印象を規定していることがわかった。
  
  結果：
  第1因子は、人なつっこい、感じのよい、人のよい、親しみやすい、などの項目が高い負荷量を示しており、これを「個人的親しみやすさ」の因子であるとする。
  第2因子は、自信のある、意欲的な、堂々とした、社交的な、といった項目が高い負荷量を示しており、「活動性」の因子とする。
  そして第3因子は、重厚な、慎重な、責任感のある、分別のある、といった項目が高い負荷量を示し、「社会的望ましさ」の因子と命名する。
  
  第1因子：個人的親しみやすさ
  
  算出された式の有効性の指標である重相関係数は0。883と非常に高い（つまり、服装によって着ている人の印象に相関する）。偏相関係数は個々の説明変数(アイテム)と基準変数との関連性の強さを表わす指標であるが、これによると12個のアイテムのうち最も強い関連性をもつのは上衣の型である。このアイテムのなかで最も高い数値をもっカテゴリーはブラウス+カーディガンで、この組合せの上衣が、このパーソナリティ特性の認知について最も強く正方向に影響を与えていることがわかる。（ブラウス＋カーディガンを着ている人に「個人的親しみやすさ」を覚える）
  またブラウス+セーターの組合せも正方向に作用しているが、逆にブラウスのみやブラウス+ジャケットは負方向に強く作用している。アイテムのなかで上衣の型のつぎに強い関連性をもつものは上衣の色である。寒色は正方向に、また黒やグレーといった無彩色は負方向に影響を与えている。さらに上衣の柄がこのアイテムに次ぐが、柄なしは正方向に、柄ありは負方向に影響を与えている。（柄が入った服装よりも柄が無い方が「個人的親しみやすさ」を覚える。）
  全般的に見ると、このような上衣についての特徴がこの因子と強い関連性を示しているのにたいし、下衣についての諸特徴(型、色、柄)との関連性は低いといえる。
  
  第2因子：活動性
  
  重相関係数は0。878と、これも高い数値を示している。各アイテムを比較すると、上衣の色についての偏相関係数が最も高く、この因子を強く規定している。
  このアイテムのカテゴリーを比較すると、暖色が正方向に最も強く影響し、寒色や中性色が負方向に作用している。次に影響を与えているアイテムは下衣の型であり、ズボン、ジーパン、ミニスカートは正方向に作用し、ひざ丈スカートやロングスカートは負方向に作用している。さらにその次に影響を与えているアイテムは上衣の型で、ブラウス+セーターが最も強く正方向に作用し、また逆にブラウス+カーディガンが最も強く負方向に作用している。またソックス、靴、ネックレスといったアイテムも比較的高い偏相関係数を示し、この因子に関連性をもつことが分かる。
  第3因子：社会的望ましさ
  
  重相関係数は0。922と、3つの因子のうち最も高い。この因子について最も高い偏相関係数をもつアイテムは下衣の型であるが、カテゴリーのスコアから、ロングスカートやひざ丈スカートが社会的望ましさに対して正方向に作用しており、反対にズボンやジーパンやミニスカートは負方向に作用していることがわかる。
  つぎに高い偏相関係数をもっアイテムは靴で、この場合白系パンプスは正方向に、またスニーカーや色付パンプスは負方向に作用している。また上衣の型や色、あるいはストッキングといったアイテムが高い偏相関係数を示している。
  
  考察
  
  各服装特徴を個別に見ると、3つのパーソナリティ次元(因子)に対してコンスタントに影響を与えているのは上衣の型と色であるが、それ以外のアイテムが各因子に対して及ぼす影響は異なっており、それぞれのパーソナリティ次元ごとに特性を認知するうえで優位に働く手がかりが存在することがわかる。
  まず「個人的親しみやすさ」の次元では、上記の2つのアイテムに加えて上衣の柄が強く影響を与えている。ゆえに、このパーソナリティ次元の印象は上衣についての諸特徴によってほぼ規定されており、それに比べると下衣の諸特徴は影響度が低いといえる。上衣に関するアイテムについてのカテゴリーを総合すると、「女性らしさ」を良く表わす服装が個人的に親しみやすいというパーソナリティの印象形成に寄与していると考えてよいだろう。
  　つぎに「活動性」の次元で特徴的なことは、下衣の型が強い影響を与えていることである。すなわちズボン、ジーパン、ミニスカートといった服装が活動的であるという印象の形成に寄与し、逆にひざ丈スカートやロングスカートといった服装は活動的でないという印象に寄与している。また上衣の色はこの因子において最も高い偏相関係数をもつアイテムであるが、このなかで、暖色が活動的である」という印象に大きく寄与し、反対に寒色が「活動的でない」という印象に寄与しており、全般的に見て、服装から受ける印象炉極くストレートな形でこの因子の認知に反映されていることがわかる。
  「社会的望ましさ」の次元では、「活動性」の次元と同様、下衣の型が影響を与えている。ただしこの場合の各カテゴリーのスコアは、「活動性」因子とは全く逆のパタンを示している。すなわち、ロングスカートやひざ丈スカートは社会的に望ましいパーソナリティの持主であるという認知に寄与し、逆にズボン、ジーパン、ミニスカートは望ましくないという認知に寄与している。さらにこの因子では、靴やストッキングといったアイテムが高い係数を示し、下半身全般における服装特徴が影響を与えていることが特徴的である。

• 論文/記事タイトル
• Fashion and Textile Design Using Emotion and Personality
• 著者
• Wendy Moody

• 要約
• 調査目的
  ･レベル1の学生がファッション/テキスタイルデザインの概念を使用して、自分の個性と感情的な自己を表現する方法を特定します。
  ･これらの方法がデザインの指導にどのように追加できるかを判断します。
  ･例として、この情報の使用方法を特定します。
  ･心理的手法を使用した個性と感情に基づくデザインを、デザイナーと着用者/ユーザーのコラボレーションプロセスでどのように使用できるかについて話し合います。
  
  ユング（1923年）は、内向性と外向性の2つの性格タイプがあると信じていました。 この研究では、NEO FFI(Five Factor Inventory)パーソナリティインベントリが使用されました（Costa＆McCrae、1985年）。 これは、成人の性格の包括的かつ簡潔な測定と評価を可能にする、性格または重要な特性の5つの主要な側面の尺度です。
  ･Neuroticism：極度な神経質（不安、怒り、失望、弱さなど）
  ･Extraversion：外交的（暖かさ、活動的、社交的、ポジティブなど）
  ･Openness：開放的（空想、感覚、アイデアなど）
  ･Agreeableness：協調性（信頼、真面目、利他主義）
  ･Conscientiousness：良心的（自制、熟考、順序・秩序など）
  
  アンケートでは、さまざまなレベルの性格と個人の独自性が考慮されています。上記のパーソナリティフレームワークは、特定の個人の心理的複雑さを示し、感情、対人関係、実験的、態度的、動機付けのスタイルを要約しています。
  
  調査方法：
  
  参加者は、リバプールジョンムーア大学でファッションとテキスタイルデザインを勉強している19〜25歳の40人のレベル1の学生。
  
  参加者は、リバプールジョンムーア大学でNEO Five Factor Inventory（上述の5つの指標）が使用されました。これは、臨床例と非臨床例の両方で使用されています。これは、テストブックレット形式で性格の5つの要素を測定するように設計され、60の質問が含まれており、年齢などの関連する人口統計情報を求めています。
  アンケートに回答すると、NEOサマリーフィードバックシートに、参加者の5つの要因に関する性格特性の説明が記載され、各性格要因で高、平均、低のいずれかが示されました。
  デザイン思考を支援するための5つの要素（Five Factor）に関する追加の形容詞ベースの情報を含む1ページのドキュメントも提供されました。これは、臨床例と非臨床例の両方で使用されています。これは、テストブックレット形式で性格の5つの要素を測定するように設計されました
  
  未来学に関する現在のプロジェクト「Sensationsofthe Future」、または以前に完了した以前のプロジェクト「Blackpool」を通して、彼らは自分たちの考えや性格を反映しているファッションやテキスタイル製品を自らデザインするように求められました。 彼らは、1つまたは2つの特性、または性格の5つの要素すべてに焦点を当てることができます。
  
  そして、彼らは以下を作成するように依頼されました
  1. ムードボード
  2. デザイン視覚化ボード
  3. 提示された視覚的作品に彼らの個性がどのように反映されていると彼らが信じているかを概説する要約
  
  *ムードボード‥特にインテリアやファッション、グラフィックデザインの分野で一般的に利用されている、アイデアやコンセプトを紙面やスクリーン上にまとめてコラージュしたものを指します。写真やイラストデザイン、配色カラーパレット、テクスチャ、追記事項などなんでも含めることができ、プロジェクトの進行を手助けしてくれます。
  
  NEO サマリーフィードバックシートを生徒に渡す際に、彼らはフィードバックが正しいことにどれほど驚いたかについてコメントしました。これは、科学が創造的な教育環境で機能できることの証拠でした。
  
  結果：
  学生の作品は、2つの重要なテーマを反映していることが示されました。
  a）性格を通した自己の中和（強化、偏向、補償、矛盾/変装）
  b）テーマに合わせて知覚認識と感情を融合させて自己を反映/表現
  
  そして、最も一般的に作られたものは、ドレスやバッグ、生地などであった。
  個人の性格特性が5つの要素の範囲内で中程度または低い場合、参加者は各要素のレベルを高く、または低くするために、レベルを緩和する（強化、誇張、補正）可能性が高くなります。
  
  興味深いことに、製品設計に使用された彼らの個性の最も人気のある要因は、外向性でした。これに続いて、開放性、誠実性、そして同様に神経症的性格と協調性がありました。感情的な幸福は神経症的性格の要因と密接に関連しているため、5つの要因すべてにわたってデザインを理解する機会または必要性を示唆しています。
  
  以下、学生が5つの性格要員において、個人の性格を反映する服飾材料である。
  
  *+表記・・・その性格要因においてポジティブな反応を示す。
  * -表記・・・その性格要因においてネガティブな反応を示す。
  
  一部例：
  Neuroticism：極度な神経質（不安、怒り、失望、弱さなど）では、"ball and chain"や"plastic materials"などはネガティブな反応を示す。おそらく、神経質な性格の者は、あまりこれらを身につけたがらない。
  Extraversion：外交的（暖かさ、活動的、社交的、ポジティブなど）では、あまり暗めの色の服を身につける傾向はなく、明るめの色を好む。デザインとしては、円形のパターン(Circular patterns)のものや光眩しい生地(Shiny textures)、ストライプ生地(Stripey Textures)などを身につける傾向にある。
  Openness：開放的（空想、感覚、アイデアなど）では、伝統的な服装にネガティブを示すが、バッグや芸術作品などを参考にしたり、花模様などにポジティブを示す。
  Agreeableness：協調性（信頼、真面目、利他主義）では、黒や赤色、レザー系にはネガティブを示す。一方、ダイヤモンドやドライフラワーをはじめとする花類、オールドファッションやニット系などにポジティブを示す。
  Conscientiousness：良心的（自制、熟考、順序・秩序など）では、円形や多くのレイヤーが入るなどまとまりの無い（messy）なものに関してはネガティブを示す。一方、バックルや明確なイラストをはじめ規則性（organized）されたデザインを好む。