良書を読む | 物流応援団長山田泰壮の元氣が出る話

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物流応援団長山田泰壮が経営者・リーダーにお届けする元氣が出るブログ

親愛なる皆さん
おはようございます。

 

良書の選び方として、長く読み継がれている書か否か
というのは、重要なポイントであります。長く読み継
がれている書は、時代環境が変わっても通用する原理
原則や本質が書かれている、普遍性の証であります。

 

以下の文章は、新渡戸稲造著「自警録」の一節。
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教育家は教育を持って自分の理想とする。
しかるにこの理想は文部大臣にならなければ実現でき
ないという人をよく糺(ただ)してみると、真に教育
のためにつくしたい志よりは、他に望みがあるのが多い。


だんだんそのいうところを聞くと、教育云々というのは
第三次の考えで、大臣になりたいということは第二次の
考えで、第一次的根本の考えは馬車に乗り大廈(たいか)
に住まいすることが理想なのである。(中略)


あるいは実業家になりたいというは、いかなるところ
より起こった考えかと煎じ詰めると、実業家は美服を
着け茶屋に行ってドンチャンやるにある。(中略)


しかるにわれわれはややもすれば、理想なる文字のもと
野心を包み、あるいは月給をよけいに取りたい、
人に褒められたい、いばりたいというような望みを包む。


故にだんだんいわゆる理想を探るとすこぶる賤しむべき
野卑なる動機に到着することがしばしばある。
自己の欲望の汚わいを覆うために理想という文字を用
うるものがたくさんある。
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100年も前に書かれているので、例えや表現の仕方は古いが、
置き換えれば充分現代にも通用する、否、充分すぎる。

 

私の周りにもたくさんいるが、経営者でありながら、
この人の本業、本文は一体なんだろう?と思える人。
○○協会の会長とか○○団体の理事とか○○クラブの○○
委員長などの要職、公職が多い人。週に何度も会合があり、
研修旅行で、国内外への出張がやたら多い、この人、
いつ仕事しているんだろう?と思える経営者。

 

大企業のCEOならまだしも、その多くが中小零細の
経営者、よほど儲かっていて余裕があるのか、よほど
幹部社員との絆が深く、留守中もしっかり会社を守って
くれているのかと思いきや、実は経営は火の車だったり、
幹部は愚痴が多く、ギスギスした社風で従業員とのもめ
事も絶えないという場合が意外に多い。

 

んなことやってる場合か?と思える経営者が実に多い。
他人さんのことをあまりとやかく云っても余計なお世話で、
貧乏人の僻みになりますので、身内や極近しい人達には
苦言を発することもありますが、それ以外は、あまり発し
ないようにしています。

 

経営者に限らず人間として言行不一致の人は弱いし、
真の逞しさがない、説得力に欠ける。
かく云うわ私もまだまだ言行不一致のところがあります。
他人さんのことを云っている場合ではありません。

 

言行不一致を戒める、そして、それはまず他人
ではなく自分自身へ。


自分への警告をしるした筆録、それが「自警録」。
良い書です。気持が凛としてきます。

 

今日も一日良い日に致します。

物流応援され団長・山田 押忍!