物流業界におけるマーケティング | 物流応援団長山田泰壮の元氣が出る話

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物流応援団長山田泰壮が経営者・リーダーにお届けする元氣が出るブログ

親愛なる皆様
おはようございます。

 

昨日は、大阪にて6月度の物流マネジメントセミナー、
ロジSPの石橋岳人講師をお招きし、
「物流業界におけるマーケティング」と題し、
営業戦略を論理的に学んだ。
3月に行なった(株)大榮の吉田社長のメタル便戦略に続く、
営業戦略シリーズ。
物流専門のコンサルタント石橋講師のセミナーは
お話も資料も非常に分かり易く。
ご参加の皆さんにも大変好評でありました。

マーケティング、営業戦略、つまりは手段だ。
大事なことは、どんな素晴らしい手段を講じようが、
目的やビジョンが明確で、それらが他者を動機づけ
できるものであければ、成果には及ばないということだ。

昨日のセミナーの総括では、
以前書いたコラムを抜粋編集し、読み上げた。
今朝のMMLはその文を引用とします。

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「ヤマト運輸、アマゾンから撤退」の記事が、
新聞各紙やテレビを賑わした。ヤマト運輸が、アマゾンジャパンへ、

値上げ要望が通らなければ、撤退するという意思を明確に示した。

2014年に佐川急便が撤退した後、ヤマトへお鉢がまわってきたわけだが

ヤマトもやはり悲鳴をあげた。

加えて、お昼12時から14時までの2時間配達停止、20時までの配達指定時間を

19時までに切り上げ、大口顧客からの大口荷物は受け入れを制限していく・・・等々

ドライバー不足の深刻化、長時間労働が問題視される中、ヤマト運輸の決断は

我々物流マンにとっては、至極納得、エール送りたいが、

今後のアマゾンの対応が見ものだ。しかし、これからは、こういう事態が身近で

どんどん起きてくることが予測できます。

わたしが、20代の頃、勤めていた会社で、管理職研修に参加した時、

物流コンサルタントの先生が、「今後は無店舗販売が台頭してくる」と、

この人は何を言ってるんだろう?と思ったのを鮮明に憶えています。
あれから30年、
パソコンの画面の前でワンクリック、スマホの画面をタッチしたその翌日、

中には当日、その商品が手元に届く。正に無店舗販売は実現している。

しかし、マウスクリック、画面タッチの向こう側では、長時間、時間に追われ走り回る

ドライバーの存在がある。デジタルのシステムの中に人間が組み込まれて

しまっている図式だ。スピード、効率、便利快適を追い求め続けてきた結果、

もう限界、ヤマト運輸の悲鳴は、産業社会、資本主義社会全体の悲鳴なのです。

当日、翌日に、欲しいものが手元に届くことが当たり前になってしまっている

異常事態に気付き、今ここで、本来のあるべき人間の在り方や生き方を本気で問う、

勇気をもって原点回帰すべき時が来ているように思えてならない。

ただ、それは、何もかもを昔に戻すということでは勿論ない。

変える(戻る)べきことと変えてはならないことをキチッと見極め、

変えるべきことは、相手にキチッと伝え、具体的に行動していくことだ。 

では、原点回帰とは何か? その為の具体的な行動とは何か?

産業や経営は、そもそも手段だ、人間がより良く生きる為の手段(道具)である

はずのそれらが、いつの間にか目的となり、人間そのものが道具化してしまっている。

手段が目的化されてしまったこの流れを元に戻す、これが、原点回帰。

早起きをして、畑に出掛け、野良仕事、昼は木陰で母ちゃんが作ったおにぎりを食べ、

午後からも汗を流し、夕方、カラスが鳴く頃、家路につく、または、爺ちゃんは薪拾い、

婆ちゃんは川で洗濯・・・ まるで日本昔話に出てくるような光景だが、
より良く生きるという視点で捉えると、正解だ。でも、さすがに現実的ではない。

では、現在社会においての原点回帰は、例えばこうだ。会社経営でいうならば、

社員が活き活き働ける環境や関係性を築く、これを目的とする、

その結果利益が残るという循環。物流でいうならば、安全で無事に物が届く、 

これが最優先目的、結果、物が届き、運賃を収受する。

勇気を持って原点回帰、「勇気を持って」と書いたのは、上記にような原点回帰を目指すとき、

これまで優先してきたサービス(時間、安価、スピード等々)のプライオリティが下がることを

覚悟し、受け容れなければならないからだ。

この移行期間は少々しんどい辛抱の期間を通過しなければならない。

それが、今正に起きている、ヤマト運輸とアマゾンとの問題であり、労使問題、

過労死という形で、資本主義社会、産業社会の限界を顕在化させている。

正に今、原点回帰へ向かう移行期間中なのであります。

アマゾンへ立ち向かうクロネコに習い、私達も具体的に行動を起こす時が来た。

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本日は、大阪実践研修、明日からは高知、旅が続きます。

今日も一日良い日に致します。

物流応援され団長・山田 押忍!