人間らしく生きるために:その2 | 物流応援団長山田泰壮の元氣が出る話

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物流応援団長山田泰壮が経営者・リーダーにお届けする元氣が出るブログ

親愛なる皆さん
おはようございます。

人間の移動速度は徒歩4Km/h、
ウサインボルトが全速力で約40Km/h。

これが人間の本来のスピードであるにも関わらず、
産業の振興と共にその何十倍、何百倍というスピードの
あらゆる移動手段が生れ、使われてきた、そしてそれは
今も尚進化し、益々拍車が掛かり留まるところを知らない。

昨日、名古屋から新幹線で大阪に移動した。
その距離およそ180Km、移動時間およそ1時間。
仮に、大阪まで休まず歩き続けたとすると、
45時間掛かる計算になる。そう考えると奇跡的な進化である。

圧倒的なスピードの違い、且つ、速いだけではない。、
移動しながら、読書もパソコンもでき、トイレあり、
車内販売ありと、実に便利、快適だ。

江戸時代、世の中の全てがアナログだった時代から、
たかだか150年ほどの間に、人間はより良く生きる為、
便利快適を求め産業振興と共に叡智を結集し、技術の
進化を続けてきた結果、アナログからデジタル、
ハイテクノロジーの現代を創り上げた。

しかし、より良く生きようと、叡智を結集し創り上げた、
この便利、快適こそが、実は人間を生きにくくしている
というこの一見矛盾した現実に気付き、ちゃんと理解し、
如何に生きるかを真剣に考えていかなければならない。

例えば、携帯の電話帳やカーナビ、パソコンの文字変換は
人間の記憶力を劣化させ、公共交通機関の発展は足腰体力の
衰えやメタボ、大量生産、大量消費は物を大事にするという
意識を薄れさせ、大量のゴミも発生させているといった結果を・・・
まだまだ上げればキリがないくらい、産業振興と技術の進化は、
負の副産物を大量に発生させている。
便利快適が度を越え、無いものが無い世の中、物も情報も何もかも
すぐに何でも手に入る、だから物事を深く考えない、人間同士
の関わりも自然希薄になり、相手を思いやる気持ちや、人の
痛みを感じる取る感覚も衰え・・・ 負の副産物の最たるは
親殺し、子殺し、友達殺しへと繋がっていく。

話しが随分重たくなってしまったが、
このデジタルの流れを止めることはできない、
されど、デジタルは道具であり手段に過ぎないことを理解し、
それに振り回されることなく、常に人間とは何か、
人間如何に生きるかの根源的な問いを持ち続けること、
具体的には、歴史から学ぶこと、
原理原則を教えてくれる師から学ぶことと思うのです。

先日、師と共に東北の旅をして、江戸時代に生きた偉人たちの
足跡を訪ね、学び、気づかされたことは、仕事も勉強も旅も
コミュニケーションも全てが、アナログ、すなわち本来の人間
のリズム、スピードで物事が進んでいたということ、人間同士
が関わり合い、協力し合わなければ物事は進むことも
成すことも出来ないということだ。

デジタルの時代だからこそアナログを意識する、
人間の本来のリズム、スピードを意識する。
そして、努めて手紙を書く、努めて直接会って会話をする、
見るだけ聞くだけではなく現地現場へ直接出向く、
人間同士関わり合うこと、協力し合うこと、
江戸時代は意識せずともそうしていた(そうせざるを得なかった)
これら諸行を意識して努めて行なうこと、それを習慣化していく
ことこそが、人間が人間らしく生きる唯一の道のような気がする。

今日は、実践研修大阪5期生最終講(修了式)、
最後の講義で、このことを伝えようと思う。

今日も一日良い日に致します。

物流応援され団長・山田 押忍!