■せたすみえです。
メルマガの連載コラム『チームづくりレシピ』~反対するなら代案を!?~
を読んでくださったT様から、
「ある映画を思い出しました」
とご連絡いただきました。(ありがとうございますm(^-^)m)
その映画とは『十二人の怒れる男 12 ANGRY MAN』。
1958年制作のモノクロ映画です(ベルリン映画祭最優秀作品賞受賞)。
■どんな映画かといいますと…
~17歳の少年が父親殺しで起訴された。事件を審議する12人の陪審員のうち、11人の結論は有罪で一致。しかし、8番陪審員だけが有罪の根拠がいかに偏見と先入観に満ちているかを主張する。審判には12人全員の一致が必要たが、次第に少年の無罪を示唆する証拠が浮かび上がり、ひとり、またひとりと審判をひるがえしていく…。
暑く狭い陪審員室での、息苦しくなるような激論。互いに名も知らぬ男たちが、虚構をはぎ取られ、ぶつかり合う。ヘンリー・フォンダを筆頭に個性的な俳優たちが“細部にいたるまで完璧な演技”を見せ、密室劇にもかかわらず、一分のスキもない緊迫感をもって描ききる。
~以上 DVD裏のレビューより~
事件の現場は全く出てきません。アクションシーンもありません。
なのにまったく飽きさせない!一気に引き込まれてしまいました。
■主人公(陪審員8番:ヘンリー・フォンダ)をはじめとする陪審員の言動・行動に、
以下のようなクリティカル・シンキングの要素を感じました。
・専門家(この映画では検事)の意見でも鵜呑みにしない!自分の頭で考える。
・偏ったものの見方をしていないか、自分の思考を疑う。
・ものごとを一面的でなく、多面的に見たり考えたりする。
・問題を解決するのに、いろいろなやり方を考え、試そうとする。
・自分と違う考え方に興味をもつ。
・感情に流されずに、できるだけ冷静に思考し、客観性を重視する。
・議論と感情、意見と人を切り離す。
・安易に答えを出そうとせず、じっくり考える姿勢。
誰でも自分の“フィルター”を通して物事を見ています。
しかし映画に出てくる陪審員たちに見られるように、差別や偏見・先入観などは真実を見定める目を曇らせます。
自分も偏った見方をしているかもしれないということを自覚することの大切さ…。
“そうかも知れない。でもそうではない可能性もありうる。”
といくつもの見方を探る姿勢の必要性…。
多々考えさせられる映画です。
■「文句があるなら自分でやれ!」(まさに “反対するなら代案を” )、
「お前はどっちの味方なんだ!?」(二分法論法)、
「そもそもあんなやつの言うことは信用できない」(人身攻撃論法)等、
そんな “間違った議論” も連発。
深いなぁ… もっと掘り下げてみたい映画です.。.:*・°
(参考図書『クリティカル進化論』道田泰司・宮元博章 著)