犠牲者のスパイラル | 物流応援団長山田泰壮の元氣が出る話

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物流応援団長山田泰壮が経営者・リーダーにお届けする元氣が出るブログ

親愛なる皆さん
おはようございます。

先日、某物流会社の社長から相談を受けた。
社内で影響力のある中間管理職と経営幹部がもめていて
社内が殺伐とした雰囲気になっている。管理職が上司の考え、
やり方が気に入らないと猛烈に反発している。
何とかならないだろうか・・・という内容のものだ。
管理職の方は、なかなか強気で一歩も引かない、
時に殺気すら感じるほどで、それに対して、経営幹部の方は、
なぜ下の者にそこまで言われなければならないのだと怒りを
感じつつもその感情は露わにせず、というよりも出来るだけ
関わらないように、されど関わる時は、腫れ物に触るような
やり取りが続いている。
相談をしてきた社長曰く、
何とか解決したいと思うのだが、
ある意味双方ともに犠牲者になってしまっているので、
埒(らち)が明かない。
社長も交えて3人で話す機会を設けた際に、あるべき姿を伝え、
このままでは良くない、社長の自分も非常に苦しく、
何とかならないものかと正直な気持ちを吐露したという。
ここまで話を聴いて、ふと気づいたことがあったので、
私はその社長に云った。
「二人の犠牲者に巻き込まれて、社長、
あなたも犠牲者になってしまっている」と。
うつむいていた社長は、ハッ!と、私の顔を見上げた。
この先、その管理職と幹部との関係性がどう展開していく
かは計り知れないが、何とか解決したいと思っている社長が、
自分も犠牲者になってしまっていたことに気付いたことは
大きな収穫であります。
犠牲者でいて、犠牲者を解決することはできない。
鼻水を垂らしながら、鼻水を拭けと云っても説得力はない。
煙草を吸いながら、禁煙しなさいと云っているのと同じである。
他人事ではなく、上記のような話は、場所を変え、
立場や顔を変え、実は日常の身近なあちらこちらで起きている。
私は研修の講義中で、
我々は如何なる時もチームで成果をあげていかなければ
ならない、だから、上司、同僚、部下、周りをどんどん巻き込もう!
リーダーシップとは、詰まるところ周りを巻き込む力であると、
ずっと伝えてきました。
しかし、今回、上記の社長の相談事例から、
犠牲者もまた周りを巻き込む力を持っていることに気付かされました。
それも、自分でも気づかぬうちに巻き込まれてしまっている場合が
多いので、ある意味リーダーシップよりも強烈な巻き込み力であります。
怒っている、非難している、嘆いている、愚痴っている、
我慢している・・・
見渡せば、世の中は、犠牲者のオンパレードであります。
犠牲者のスパイラルに巻き込まれぬよう、相当注意を
払わねばなりません。 問題解決は、そこからです。

今日も一日良い日に致します。
物流応援され団長・山田 押忍!